質問主意書08.12.25

質問主意書08.12.25

2008(H.20)年12月25日提出(質問第129号)

介護保険制度に関する再質問主意書・答弁書の内容

 2009年度の介護報酬改定、要介護(要支援)認定の見直しに向けて、社会保障審議会介護給付費分科会(以下「分科会」という。)及び厚生労働省事務局において準備が進められているが、被保険者に大きな影響を与えることが予測されることから、前回政府答弁書(内閣参質170第91号)を踏まえ、再度以下のとおり質問する。

要支援認定・要介護認定について

▼質問1-1:

本年度に実施された第二次要介護認定モデル事業では、一次判定において現行制度よりモデル事業のほうに出現状況の減少が見られるのは要介護1相当、要介護3、要介護5と報告されている。二次判定において現行制度よりモデル事業のほうに出現状況の減少が見られるのは要支援2、要介護2、要介護3、要介護5と報告されている。2006年の介護保険法改正以降、要介護(要支援)度が実際より軽く判定されたとの声を多く聞くが、2009年度以降、さらに軽度と判定される者が増え、判定に納得できないという声が強まることが懸念される。2009年4月にスタートする新・認定制度による更新認定以降、現行より軽度と判定される者の見込数を示されたい。また、軽度と判定され、現行よりサービス利用を抑制されたことに対する被保険者からの苦情、制度への不信の増大も予測されるが、どのような対応を具体的に行う考えなのか。

△答弁:

要介護認定及び要支援認定(以下「要介護認定等」という。)は、申請者の個別の状況を勘案して、どの要介護状態区分又は要支援状態区分に該当するかを認定するものであり、平成21年度以降に要介護認定等の申請を行う者の状況は様々であると考えられることから、お尋ねの見込数についてお答えすることは困難である。

また、平成21年度に要介護認定等の仕組みが変更されることにより混乱が生じないよう、市町村等に対し、被保険者を要請してまいりたい。

▼質問1-2:

認知症の被保険者については、要介護認定の一次判定において要介護1以上の判定がなされるとのことだが、要支援1・2の認定を受ける者も多くいると聞く。要介護認定における認知症の定義について具体的に示されたい。

△答弁:

要介護認定等については、介護の必要の程度等について審査を行い、どの要介護状態区分又は要支援状態区分に該当するかを認定するものであり、特定の疾病の有無をもってこれを行うものではないことから、要介護認定基準においては、認知庄について定義していないが、介護保険法(平成9年法律第123号)においては、認知症について、脳血管疾患、アルツハイマー病その他の要因に基づく脳の器質的な変化により日常生活に支障が生じる程度にまで記憶機能及びその他の認知機能が低下した状態と定義している。

訪問介護員について

▼質問2:

訪問介護サービスにおける訪問介護員(ホームヘルパー)は非常勤が8割を超え、離職率も高いと聞く。次期介護報酬改定では「介護従事者の処遇改善」が大きな目的とされているが、施設サービスの不足、医療機関からの早期退院の促進などにより、在宅介護を支えるホームヘルパーの確保、若い世代の育成が必要不可欠と考える。安定した在宅サービスの提供のために、訪問介護員の処遇改善について、分科会にどのような提案がなされているのか具体的に示されたい。

質問2の答弁は下記の質問4下の答弁の箇所を参照

サービス提供責任者について

▼質問3:

訪問介護事業所によっては、サービス提供責任者以外の人員はすべて非常勤という不安定な運営状況もあると聞くが、それにもかかわらず、分科会では訪問介護サービスのサービス提供責任者について、非常勤化を図る事務局提案がなされたと聞く。「介護従事者の処遇改善」のためには、サービス提供責任者を含むホームヘルパーの給与の引き上げとともに、安定した労働環境を確保することによりサービスの質の向上を図る必要があると考えるが、サービス提供責任者の非常勤化を図る目的とともに、サービス提供責任者の非常勤化が「介護従事者の処遇改善」に与える影響について、具体的に説明されたい。

△答弁:

審議報告においては、サービス提供責任者について、常勤職員を基本としつつ、非常勤職員の登用を一定程度可能とする方向で人員配員基準を見直すとともに、当該見直し後の状況を検証し、必要な対応を行うこととされているが、これは、サービスの質を確保しつつ事業所の効率的な運営や日非常勤従事者のキャリアアップを図ること等を目的とするものである。

また、これらの措置が介護従事者の処遇改善に与える影響については、事後的な検証を行うこととされている。

身体介護について

▼質問4:

前回質問主意書(第170回国会質問第91号)において、訪問介護サービスの身体介護については、1.5時間を超えてサービスを提供した場合の30分83単位の加算により、サービスの利用が制限されている実態について指摘をしたところ、身体介護に係る介護報酬については、現在、分科会において行われている平成21年4月の介護報酬改定に向けての議論の結果も踏まえて、適切な設定等に努めるとの答弁があったが、「身体介護」の課題について、分科会にどのような提案がなされているのか具体的な内容を示されたい。

△質問2・4の答弁:

 平成20年12月12日に社会保障審議会介護給付費分科会が取りまとめた「平成21年度介護報酬改定に関する審議報告」(以下「審議報告」という。)においては、平成21年度介護報酬改定についての基本的な考え方として、身体介護も含めた訪問介護について、訪問介護員等の処遇改善の必要性も踏まえつつ、サービスの効果的な推進を図る観点から、短時間の訪問に対する評価を行うこととされているほか、介護職員基礎研修の受講、介護福祉士資格の取得など段階的なキャリアアップを推進する観点等から、特定事業所加算について要件の見直しを行うこととされている。

また、介護報酬改定が介護従事者の処遇改善に寄与しているかどうかについて、事後的な検証を行うこととされている。

施設サービスなどにおける居住費・食費の自己負担に対する補足給付について

▼質問5:

前回答弁書においては、介護保険施設に入所する者であって低所得者としての一定の要件を満たす者であれば、特定入所者介護予防サービス費・特定施設入所者介護サービス費(以下「補足給付」という。)の支給対象となり、当該利用者自らが基準費用額を超える費用を支払って食事や居室の提供を受けることを希望し、その費用について当該介護保険施設が提示した金額を支払うことに同意している場合は、補足給付の対象とはならないとされている。現在、介護老人福祉施設(以下「特別養護老人ホーム」という。)の待機者は全国で38万人ともいわれている。当該利用者が低所得者として一定の要件を満たし、介護保険施設に入所する必要があると判断され、しかし、基準費用額を超える食事や居室の提供のみを行っている特別養護老人ホームしか空室がない場合、どのような解決を具体的に図る考えなのか。

△答弁:

 ご指摘のような特別養護老人ホームにおいて、ご指摘のような利用者が基準費用額を超えない食費及び居住費での入所を希望しているにも関わらず、当該特別養護老人ホームがこれに応じない場合は、指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号)第4条の2の規定に違反するおそれがあることから、このような場合には、都道府県において適切な指導者が行われることとなると考える。

院内介助、散歩、通院等乗降介助について

▼質問6-1

前回答弁書においては、訪問介護サービスの院内介助については、通院等のための乗車又は降車の介助(以下「通院等乗降介助」という。)の前後に連続して身体介護を実施した場合であって、一定の条件を満たす場合には、院内介助を行った時間についても身体介護を行った時間に含めて介護報酬を算定することができるとの答弁があったが、「一定の条件」について具体的内容を示されたい。

△答弁:

お尋ねの「一定の条件」については、「「通院等のための乗車又は降車の介助が中心である場合」及び「身体介護が中心である場合」の適用関係等について」(平成15年5月8日付け老振発第0508001号・老老発第0508001号厚生労働省老健局振興課長及び保健課長連盟通知)において、お示ししているところである。

▼質問6-2:

前回答弁書においては、訪問介護員による散歩の同行については、現行制度においても、介護報酬の算定は可能とのことだが、介護保険法施行以降2007年度までの各年度における散歩の算定件数、費用額、受給者数を示されたい。

△答弁:

 お尋ねの散歩の算定件数、費用額及び受給者数については把握していない。

▼質問6-3:

前回答弁書においては、訪問介護サービスの通院等乗降介助については、要支援者には乗車又は降車の際に訪問介護員による介助を必要とする状態にあることが想定し難いとのことだが、「想定し難い状態」について具体的に説明されたい。

△答弁:

 先の答弁書(平成20年12月2日内閣参質170第91号)7についてでは、一般に、要支援者については、乗車又は降車の際に訪問介護員による介助を必要とする程度の心身の状態にあることは想定し難い旨をお答えしたものである。